お正月飾りの手作りは100均の材料で十分できる|まず全体像
お正月飾りの手作りは、しめ縄の土台を100円ショップで用意し、造花や水引を付けるだけで、初心者でも十分に形になります。はじめての方は、まず土台に飾りを付けるリース風のしめ飾りから始めるのがおすすめです。
この記事では、材料と道具、作り方の手順、おしゃれに仕上げるアイデアを順にご紹介します。あわせて、飾る時期、飾る場所、意味や由来、役目を終えた後の処分まで、ひと通りお伝えします。
手作りの魅力は、世界で一つだけの飾りができることと、作る時間そのものが新年を迎える準備になることです。完成したときの達成感も、手作りならではの楽しみです。
慌ただしい年末だからこそ、少しずつ作り進めて、気持ちよく新年を迎えましょう。
手作りしやすい正月飾りの種類(しめ縄・門松・鏡餅・折り紙飾り)
それぞれ難しさや向いている人が違うので、表で整理しました。
| 種類 | 主な材料 | 向いている人 |
|---|---|---|
| しめ縄・しめ飾り | 縄の土台、造花、水引 | 玄関を華やかにしたい初心者 |
| 門松 | 既製の小さな門松、松の造花、塗料 | 色をそろえて雰囲気を変えたい人 |
| 鏡餅 | 飾り用の鏡餅、台、水引 | 和モダンに整えたい人 |
| 折り紙などの紙の飾り | 折り紙、紙ひも、廃材 | 子どもと一緒に作りたい人 |
しめ縄は定番中の定番で、玄関に飾る飾りとして広く親しまれています。門松や鏡餅は、ゼロから作るより、既製品に色を塗ったり飾りを足したりするほうが手軽です。
折り紙や紙ひもの飾りは、材料が身近で、小さなお子さんとも楽しめます。気軽に始めたい方はここからでも構いません。
初心者は「しめ縄の土台に飾りを付ける」作り方がおすすめ
初心者の方には、すでに輪の形になったしめ縄の土台に飾りを付ける方法をおすすめします。縄を編む作業がないので、失敗しにくく、短い時間で仕上がります。
土台は100円ショップでも手に入ります。最近は色のバリエーションも増えているので、お好みの色を選べます。
飾りは、造花や水引、ドライフラワー風の花などから選びます。土台に付ける位置を決めて固定するだけなので、センスに自信がなくても大丈夫です。
慣れてきたら、い草を使って縄をねじる本格的な作り方にも挑戦してみてください。手順はこのあと詳しくご紹介します。
しめ縄・しめ飾りの作り方と必要な材料・道具
ここでは、しめ縄・しめ飾りを作るための材料と道具、そして2通りの作り方をご紹介します。ひとつは土台を使うリース風、もうひとつはい草をねじって編む本格的な方法です。
作り始める前に材料をそろえておくと、途中で手が止まらずに進められます。まずはチェックリストで確認しましょう。
100均でそろう材料と道具のチェックリスト
しめ飾り作りの材料は、100円ショップでもそろえられます。
リース風の場合の基本セットは次のとおりです。
- しめ縄の土台(リース型や細めの縄など)
- 造花(大ぶりの花、ドライフラワー風の花、千両などの実もの)
- 水引(紅白、金、銀、白などお好みの色)
- グルーガン(接着用)
- 曲げ針金や園芸用ワイヤー
- はさみ(ワイヤーも切れるもの)
- 飾りパーツ(迎春の飾り、和紙の飾り、タッセルなど)
い草で本格的に作る場合は、い草の束(約60gのものを2本)、麻糸、園芸用ワイヤー、はさみ、飾り物が必要です。あわせて、い草を湿らせるための霧吹きも用意しておくと安心です。
飾り物は、和風にしたいなら畳べりや水引、南天などが合います。洋風にしたいなら造花やドライフラワー、リボンなどがおすすめです。
グルーガンは熱くなる道具ですので、お子さんと作るときは大人が扱ってください。使う前に、作業台を紙などで保護しておくと後片付けも楽です。
▶ 動画で確認:100均の紙ひもでしめ縄を作る
100円ショップの荷造り用紙ひもを使い、直径14cmのしめ縄を作る手順を見られる動画です。100均の材料だけでしめ縄が作れることを、実際の工程で確かめられるためこの節に置きます。
出典:Bowdabra Japan「【100円ショップ素材で作ろう】しめ縄の作り方」(YouTube・約7分)
100均のしめ縄土台で作るリース風しめ飾りの手順
土台を使うリース風しめ飾りの基本手順は、次のとおりです。ここでは大ぶりの花を中心に飾る、シンプルな形でご説明します。
- テーブルに土台を置き、花や水引を実際に並べて、全体の配置を決めます。
- 白や金の水引を、ループ状(輪の形)に整えます。
- 水引の輪を、グルーガンなどで土台に固定します。
- 大ぶりの花を、中央にしっかり固定します。
- ドライフラワー風の花や金色の実ものを、中央の花の周りに添えて固定します。
- 全体を少し離れて眺め、すき間があれば小さな飾りで調整します。
- 玄関に掛けるためのひもやフックを、裏側に取り付けて完成です。
ポイントは、先に並べてから固定することです。接着してしまうと動かしにくいので、配置を確認してから付けましょう。
質感の違う素材を組み合わせると、単調にならず華やかに見えます。たとえば、つやのある水引と、やわらかいドライフラワー風の花を合わせる方法です。
グルーガンの先は高温になるため、やけどに十分ご注意ください。
い草を使い、ねじって編む本格しめ飾りの手順
い草を使ったしめ飾りは、通常の藁よりも繊細に仕上がると紹介されています。新しい畳のような香りも楽しめます。
3人1組で作った場合、30〜40分ほどで仕上がる手順です。ひとりでも作れますが、根元を押さえる人がいると進めやすくなります。
手順は次のとおりです。
- い草の束を霧吹きで全体に湿らせ、15分ほど待ちます。しなやかになったか確認しましょう。
- 2本のい草束の白い根元をそろえ、麻糸で1つにまとめて縛ります。
- ひとりが根元を固定し、ほかの人が1本ずつい草束を持って、右回りにねじっていきます。
- しっかりほどけないよう、ぎゅっと拠りをかけるのがコツです。
- 半分ぐらいまでねじったら、左回りに交差させて編みます。
- 残りの半分も同様にねじって編み、残り10cm程度のところで麻糸できつく縛ります。
- 好みの形に整え、再度麻糸で固定します。
- 端の余ったい草は、切りそろえてもよく、切らずにデザインとして残すこともできます。
- 最後に、飾り物を好きな配置でワイヤーで括り付けて完成です。
い草が乾燥しきっていると、ねじるときに折れてしまうことがあります。最初の霧吹きは、省かずに行いましょう。
右回りにねじり、左回りに編むので、手と頭が混乱しやすい作業です。ゆっくり確認しながら進めると、きれいに仕上がります。
▶ 動画で確認:縄ないのやり方を手元で確認
しめ飾りの制作者が、藁を霧吹きで湿らせてねじり合わせる縄ないを手元のアップで解説しています。ねじる方向や形をそろえるコツが分かり、本格的な作り方の手順を補えます。
出典:杉の木クラフト「お正月飾り、しめ縄の作り方。縄ないのやり方」(YouTube・約6分)
おしゃれに仕上げるデザインアイデアと素材別アレンジ

同じ土台でも、水引の色や花の選び方で雰囲気は大きく変わります。ここでは、100円ショップの素材で取り入れやすいアレンジをご紹介します。
素材は、水引、タッセル、ドライフラワー風の花、そして色をそろえた門松や鏡餅などです。ご自宅の雰囲気に合わせて選んでみてください。
水引で華やかに:紅白の大きな輪や金・白の組み合わせ
水引は、手軽に華やかさを出せる素材です。紅白の水引で大きな輪を作ると、伝統的でお正月らしい仕上がりになります。
紅白の太い水引で大きな輪を2つ作り、曲げ針金でしめ縄に固定します。その上に、メインの輪を重ねてグルーガンで留めると、立体感が出ます。
さらに、金色の細い水引やワイヤーを、リース全体を囲むようにゆるやかな曲線で配置します。千両の造花を水引に沿って挿すと、動きのある雰囲気になります。
大人っぽく仕上げたいときは、金と白の組み合わせもおすすめです。白い大ぶりの花に、ブラウン系のドライフラワー風の花と金色の実ものを添えると、落ち着いた和モダンになります。
水引を大胆な輪にすると、華やかさと動きが生まれます。反対に細い水引を重ねると、上品で繊細な印象になります。
タッセルやドライフラワー風の花でモダンに
タッセルを使うと、伝統的なしめ縄がぐっとモダンになります。銀色などメタリックなタッセルと水引を組み合わせるのが、おすすめの方法です。
手順の一例は次のとおりです。
- 細めの縄をU字型に整えて固定します。
- 金色の水引を円を描くように加工し、縄の根元付近に固定します。
- 銀色のタッセルを、根元から垂らすように固定します。
- 短冊状の和紙や水引を、下へ流れるように付け、「迎春」の飾りを留めます。
さらに、濃い色の厚紙やボードを土台にして、壁に掛けられるようフックを付ける方法もあります。深いネイビーの背景にすると、縄の淡い草色や金色が引き立ちます。
ドライフラワー風の花は、やわらかい質感で全体をなじませてくれます。造花でも十分に雰囲気が出るので、扱いやすい点も魅力です。
お子さんや来客の手が触れやすい場所なら、軽くて壊れにくい造花が安心です。
門松・鏡餅を色でそろえて和モダンにする
しめ飾りだけでなく、門松や鏡餅も色をそろえると、まとまりのある空間になります。100円ショップの既製品を、塗装や飾りで作り替える方法が手軽です。
門松の場合は、次の手順になります。
- 既製の門松から、不要な飾りをすべて外し、竹と土台だけにします。
- 門松や松の造花に、グレーの水性ペンキを塗って乾かします。
- 土台の周りに、リーフ柄のペーパーを巻き付けて固定します。
- 松の造花やドライフラワー、ゴールドの玉飾りをバランスを見ながら挿して完成です。
色を白とグレーで統一すると、北欧風やシャビーシックなインテリアにもなじみます。家にあるドライフラワーや、前のDIYで余った花材を使うのもよい方法です。
鏡餅は、台をグレーのアクリル絵の具で塗り、上に載せるみかんのパーツをゴールドに仕上げます。水引を「あわじ結び」にして、輪にしたものを接着すると、高級感のある鏡餅になります。
みかんの部分をゴールドにするだけで、和の伝統的な飾りがモダンな印象に変わります。
洋室に合うか和室に合うか|飾り選びの手順
「どんな飾りが部屋に合うのか分からない」という方のために、選び方の手順をまとめました。順番に考えると、迷いにくくなります。
- 飾る場所の背景(ドアの色、壁の色)を確認します。
- 背景が明るければ濃い色の飾り、暗ければ明るい色の飾りを選びます。
- 和室や木の玄関ドアには、紅白の水引や南天などの和の素材を合わせます。
- 洋室や白い壁には、造花、リボン、タッセル、ドライフラワー風の花を合わせます。
- 色数をしぼり、金や銀を差し色にします。
迷ったときは、水引を使うのがおすすめです。和の素材ですが、金や白の水引を選ぶと、洋室にもなじみます。
よくある失敗は、飾りを付けすぎて、まとまりがなくなることです。最後に少し離れて眺め、足すより引くつもりで調整すると、すっきり仕上がります。
折り紙などで子どもと作る簡単お正月飾り

お正月飾りは、折り紙や紙ひもなどの身近な材料でも作れます。子どもと一緒に作るなら、グルーガンや園芸用ワイヤーを使わない紙の飾りがおすすめです。
紙の飾りは、材料費をおさえやすく、失敗しても作り直せます。年末の楽しい思い出づくりにも向いています。
折り紙で作るしめ飾り風・扇の飾り
折り紙で、しめ飾りのような雰囲気の飾りを作ることができます。色の組み合わせ次第で、かわいくも格好よくも仕上がります。
赤、白、金などの折り紙を使うと、お正月らしい華やかさが出ます。材料は100円ショップでもそろえられるので、気軽に始められます。
扇の飾りも、折り紙で作れる人気の工作です。折り紙を折りたたんで扇の形にし、それを並べて円や半円に配置すると、おめでたい雰囲気の飾りになります。
子どもと作るときは、色選びをお子さんに任せてみましょう。お気に入りの色を選ぶと、完成後の愛着も深まります。
作り方は動画でも多く紹介されているので、見ながら一緒に折るのも楽しい方法です。折り紙は袋によって同じ色の枚数が異なることがあるため、買うときは色や枚数を確認しておくと安心です。
紙ひもやトイレットペーパーの芯・牛乳パックを使った工作
紙ひもや、トイレットペーパーの芯、牛乳パックなどの廃材も、お正月工作に役立ちます。身近なものを使えば、材料費を抑えられます。
たとえば、牛乳パックやトイレットペーパーの芯を使って、門松を作る工作があります。筒の形を竹に見立て、周りに色紙を巻いて、松の飾りを添えると、小さな門松になります。
紙ひもは、しめ縄の縄の部分に見立てられます。折り紙や紙ひもなどを使い、しめ縄リース飾りをすべて紙で作る方法も紹介されています。
クラフト紙を輪にして、椿の花の輪飾りにする工作もあります。輪をつないで飾ると、壁にも飾れる華やかな飾りになります。
紙の飾りは、はさみやのりを使うので、小さなお子さんには大人が付き添いましょう。作ったものを、子ども部屋やリビングの壁に飾れば、家族みんなで新年の気分を味わえます。
▶ 動画で確認:お花紙で作る紙のしめ飾り
100均のお花紙だけで、しめ飾り・しめ縄を作る方法を紹介する短い動画です。火や接着剤の扱いが少ない紙の飾りの例として、この節の工作に合います。
出典:はなみこと「【全部100均】お花紙で作る✨しめ飾り・しめ縄【正月飾り】縁起物✨」(YouTube・約2分)
手作りしたお正月飾りはいつから飾る?いつまで?
せっかく作った飾りは、縁起のよい日に飾りたいものです。飾り始める日と外す日の目安を、表にまとめました。
| 時期 | 目安 |
|---|---|
| 12月13日以降 | 大掃除のあとなら飾れる |
| 12月25日以降 | クリスマスの飾りを片付けてから出す家庭も多い |
| 12月28日 | 縁起がよい日として、飾り始める家庭が多い |
| 12月29日・31日 | 避けることが多い |
| 1月7日/1月15日 | 松の内の終わり(関東/関西が目安) |
地域や家庭によって習慣は異なります。お住まいの地域の風習も、あわせて確認してみてください。
▶ 動画で確認:神主が語る飾る時期と外したあと
神社の神主が、しめ飾りの意味と、いつ飾っていつ外すか、役目を終えた後どうするかを話しています。専門家の解説で、飾る時期と片付けの考え方を裏づけられます。
出典:宮崎神社の神主はるちゃんねる「【しめ飾り】神様に好かれるかも?しれない年末年始の過ごし方」(YouTube・約7分)
飾り始めは12月13日以降、おすすめは28日
お正月準備の開始日は、「すす払いの日」「正月事始め」にあたる12月13日とされています。大掃除の起源とされる日です。
正月飾りは、大掃除をして住まいを清めたあとに飾るのが基本です。そのため、12月13日以降であれば、大掃除を終えてからいつでも飾れます。
最近は、クリスマスの飾りを片付ける12月25日以降に、正月飾りを出す家庭も多いようです。
その中でも、おすすめは12月28日です。「八」という字は末広がりを意味するため、縁起がよいとされ、この日に飾り始める家庭が多いです。
手作りの場合は、12月の上旬から少しずつ作り進めて、28日に飾る流れにすると、慌てずに済みます。
29日と31日を避ける理由
12月29日は、「二重苦」「苦」とも読めるため、飾るのを避けることが多い日です。ただし、29日を「ふく」と読み、福を呼ぶ日として縁起がよいとする地域もあるようです。
また、12月31日は「一夜飾り」とされ、避ける風習があります。大晦日に慌てて飾るのは、神様をお迎えする準備としてふさわしくないという考え方からです。
手作りが間に合わなかった場合は、無理をせず、完成した日に飾っても構いません。ただ、できれば12月28日までに余裕をもって飾ることをおすすめします。
年末のスケジュールがきつい場合は、材料を早めにそろえて、週末に作る計画を立てておくと安心です。
外す日は関東1月7日・関西1月15日が目安
正月飾りを飾る期間を「松の内」といいます。松の内は地域によって異なり、関東では1月7日、関西では1月15日までが目安です。
関東では、1月7日に正月飾りを外して、七草粥を食べる風習があります。関西では、1月15日に片付けることが多いようです。
鏡餅は、鏡開きの1月11日に片付けて食べるのが一般的です。ただし、これも地域によって少しずつ異なります。
松の内が終わったら、年神様を見送る気持ちで、感謝を込めて飾りを外しましょう。外した後の扱いは、あとの章でご説明します。
どこに飾る?玄関・神棚・リビングの考え方

しめ縄は、自宅では玄関と神棚の2か所に飾るのが基本です。どちらか片方だけでも問題ありません。
しめ縄が飾られた場所は、神聖な領域と現世を隔てる結界の役割を果たします。年神様の居場所に不浄なものが入らないようにするという意味があります。
神棚に飾るときは、御札が隠れてしまわないように注意しましょう。位置を決めてから、取り付けるのがおすすめです。
用途や地域によっては、水回りに飾ることもあるようです。ご自宅の習慣や、ご家族の考え方に合わせて決めてください。
玄関に飾る場合は、ドアの中央か、目線より少し高い位置を目安にすると、見栄えがよくなります。手作りの飾りは雨に濡れると傷みやすいので、屋外に面したドアの場合は、風や雨が当たりにくい場所を選ぶと安心です。
鏡餅は、神様が宿る場所と考えると、食卓やキッチンなど騒がしい場所はあまり向きません。家の奥のほうで、人の息が直接かかりにくい、静かな場所を探すとよいでしょう。
床の間がない住まいなら、リビングボードや飾り棚など、落ち着いた場所にさりげなく飾る方法があります。ミニサイズの鏡餅なら、置き場所を選びません。
壁に飾るタイプの手作り飾りは、リビングの壁もおすすめです。縁起のよい富士山をモチーフにしたガーランドなどを、壁に飾る例もあります。
お正月飾りの意味と由来を知って縁起よく飾る
意味や由来を知ってから飾ると、手作りの時間がより味わい深くなります。ここでは、年神様、しめ縄、門松、鏡餅について、順にご紹介します。
お正月飾りは、新年の多幸と無病息災を願う日本の風習として、親しまれてきました。
年神様をお迎えする飾りという意味
お正月は、新年を司る「年神様(としがみさま)」を家庭に迎える特別な日です。年神様は元旦に各家々を訪れ、一年の幸せや健康、豊作をもたらすといわれています。
正月飾りには、年神様をお迎えし、家族の幸せと健康を願う意味と役割があります。代表的なお正月飾りは、門松、しめ縄・しめ飾り、鏡餅の3種類です。
生花を飾る習慣もあり、松や、赤い実をつける南天や千両、梅の花などを取り入れると、お正月らしい雰囲気になります。
手作りでも、年神様をお迎えする気持ちを込めて作れば、きっと素敵な飾りになります。
しめ縄の由来は天の岩戸の神話
しめ縄の由来は、日本神話の「天の岩戸(岩戸隠れ)」にあるとされています。天照大神が岩の洞窟に入り、世界が暗闇に包まれたという伝説です。
天照大神が洞窟から出たとき、再び入らないように、しめ縄で戸を塞いだといわれます。この神話から、「しめ」には神様が占める場所という意味があるとされています。
しめ縄は、年神様をまつるのにふさわしい神聖な場所であることを示します。また、年神様がもたらしてくれた幸運を逃さないようにするものとも信じられてきました。
スサノオ伝説にちなみ、輪状であることに意味があるという説もあります。リース型のしめ飾りは、この意味にもなじむ形といえます。
門松・鏡餅それぞれの役割
門松は、玄関先に飾り、年神様が迷わずに家に来られるようにするための案内役です。門に松を飾る文化は平安時代からあり、「小松取り」と呼ばれていました。
常緑樹の松は長寿を象徴し、神が宿る木と信じられてきたため、年神様の来訪時の目印になりました。門に飾るのは松であることが、大切なポイントです。
鏡餅は、お迎えした年神様がお正月の間宿る、居場所の役割を果たします。もともとは、お正月の神饌(神様への供物)として、お米の代わりに供えられてきたものです。
鏡餅の風習は平安時代からあり、神棚に飾るのが一般的でした。江戸時代以降は、床の間に飾られることが増えたようです。
それぞれに役割があるので、しめ縄と一緒に、門松や鏡餅も手作りしてそろえると、より縁起のよいお正月になります。
役目を終えた手作り飾りの処分方法
松の内が終わったら、正月飾りを外します。年神様の依代としての役割を終えた飾りは、感謝の気持ちを込めて処分しましょう。
正月飾りに使う藁や紙、竹などの天然素材は、ほこりや湿気を吸いやすいため、翌年の再利用には向かないとされています。そのため、毎年新しく迎えるという考え方が広まっています。
一方、造花や木製のオブジェなど、インテリア性の強いものを、大切に保管して使う家庭もあります。外に出す飾りは新調し、室内の飾りは保管するなど、役割で分ける方法もあります。
お気に入りの飾りは、無理に捨てる必要はありません。松の内が終わったら丁寧に手入れをして、次のお正月まで仕舞っておく方法もあります。
どんど焼きに出すのが一般的
最も一般的な処分方法は、神社や地域で開かれる「どんど焼き」に出すやり方です。どんど焼きは、1月15日前後の小正月に行われる火祭りの行事です。
門松やしめ飾り、書き初めなどを一か所に集めて燃やし、立ちのぼる煙とともに年神様を見送ります。1年の無病息災を祈る意味合いもあります。
多くの神社では、日程や受付時間、持ち込める物の種類を案内しています。「紙や藁などの天然素材は受け入れるが、プラスチック製品やガラス、金属は不可」という条件が珍しくありません。
氏子区域の家庭からの持ち込みを優先する神社もあります。事前に、神社や自治体の広報誌、公式サイトで、開催の有無や受付条件を確認しておくと安心です。
手作りの飾りを持ち込む場合は、あらかじめ造花や金具などを外しておきましょう。
自宅で塩で清めて可燃ごみに出すとき
近くでどんど焼きが開かれない場合や、日程が合わない場合は、自宅で清めてから可燃ごみとして出す方法があります。神社に持ち込めなくても、感謝の気持ちで丁寧に扱えば、失礼にはあたりません。
清めに使う塩は、台所の塩や粗塩で問題ありません。半紙などに包んで、塩を振りかけるように清める方法が知られています。
松の内が終わってから1月15日頃までを目安にして、自治体の分別ルールに沿って出しましょう。
どんど焼きの日程や会場が合わない場合は、神社や寺院の「お焚き上げサービス」を利用する方法もあります。ただし、対応している神社には限りがあり、供養料が必要な場合が多いので、事前に問い合わせてみてください。
感謝の気持ちを込めることが、いちばん大切です。ごみに出すときは、お住まいの自治体の分別ルールを必ず確認しましょう。
造花やワイヤー・金具は分別が必要
手作りの飾りには、造花、ワイヤー、金具、プラスチックのパーツなど、さまざまな素材が使われています。これらは、可燃ごみにそのまま出せないことがあります。
処分する前に、素材ごとに分けておきましょう。分け方の目安は次のとおりです。
- 藁、い草、紙、水引などの天然素材:どんど焼きや可燃ごみへ
- 造花、プラスチック、ガラスのパーツ:自治体の分別ルールに沿って出す
- ワイヤー、針金、金具:金属として分別する
グルーガンで接着した部分は、はがしにくいことがあります。手作りの段階で、取り外しやすいように、ワイヤーで留めておくと片付けが楽になります。
分別の方法は、自治体によって異なります。迷ったときは、自治体の公式サイトやごみの分別表で確認すると安心です。
手作りの飾りに感謝して、きちんと見送ることで、また来年も気持ちよく新年を迎えられます。
