東海道新幹線や山陽新幹線の区間で、線路・架線・信号などに異常が無いか検査するための特別車両「ドクターイエロー」は鉄道ファンや子供たちに人気です。

そのドクターイエローの引退説がネットでまことしやかにささやかれています。

実際のところ引退する可能性はあるのでしょうか?

いつかは引退する日が来ると思いますが、ドクターイエローの線路や架線の点検を行う役割を担う後継車両はどんな列車になるのでしょうか?

今回は、ドクターイエロー923形の引退説や廃車したら新たに登場する後継車両について調べてみました。
見ると幸せになれるドクターイエロー


 


ドクターイエロー923形が引退するのはいつ?

ドクターイエローの引退するのはいつなのかは公式には発表されていません。

ネット上では噂レベルの情報からしっかりと理論立てた予想までいろいろありましたが、引退時期の予想は大まかに以下の2つに分かれます。

  • 2020年3月という説
  • 2018年夏という説

それぞれご説明していきたいと思います。

2020年3月説について

JR東海およびJR西日本は700系新幹線を退役させて、N700Aという高性能新幹線を導入する事を予定しています。

JR東海は2020年3月末までに700系の置き換えを終えると発表しています。

JR西日本も東海道・山陽を直通する700系を2020年3月までに退役すると発表。

つまり700系新幹線はすべて遅くても2020年3月ごろN700A新幹線と交代する事になります。

ただし、

700系の引退が営業車両だけでなくドクターイエローも含むのかどうかについてはJR東海もJR西日本も発表していません。

 

700系は、営業最高時速270kmでしたが、N700Aでは最高速度が時速285kmでの走行が可能になります。

700系をベースに作られているドクターイエローの速度は270kmです。

通常運行ダイヤと試験走行(ドクターイエロー用の)ダイヤが上手くかみ合わないといけません。

東海道新幹線のダイヤはとても混雑しています。

1つの駅に新幹線が複数停車していたり、こだまがのぞみの通過を待っているという場面があったりと非常に多くの本数が運行されていますよね。

N700系新幹線と並ぶドクターイエロー

最高時速270kmのドクターイエローがダイヤの合間をぬって運行することが難しくなるかもしれませんね。

以上が、700系新幹線がN700A新幹線と交代する2020年3月にドクターイエローの引退するのではないかという説です。
 

2018年夏説について

新幹線は車両からすべての部品を取り外して、細部まで徹底的な検査、整備が行う決まりがあります。

これを全般検査といいます。

新幹線の点検

JR東海によると、700系新幹線は廃車する方向なので、もう全般検査は行われません。

ドクターイエローも他の新幹線車両と同様に全般検査が行われます。

ドクターイエローはJR西日本とJR東海が1台ずつ保有していて現在日本で2編成あります。

JR西日本のドクターイエローが最後に全般検査を実施したのが2015年の夏

営業用新幹線の走行距離ですが、通常の東京から博多までは1日1往復しています。

それに対してドクターイエローは10日に1度の運行なので、走行距離は半分以下。

全般検査の条件は、最後の検査から3年後、もしくは走行距離が120万キロに達した時。

距離数が120万キロに到達する前に最後の検査から3年経過すると思われます。

前回の検査から3年後に全般検査の時期がくるとすれば、2018年の夏頃

この全般検査は行わずにそのまま廃車・・・という見方ですね。

以上が2018年夏頃にドクターイエローの引退するのではないかという説でした。
 
 
過去のドクターイエローの運行年数はどのくらいだったか調べてみました。

JR東海保有していた前世代のドクターイエローは、1973年から2001年までの28年間運行してきました。

世代交代したドクターイエロー923系は2001年から運行しています。

JR西日本が保有していた前世代のドクターイエロー1979年から2005年までの26年間

世代交代したドクターイエロー923系は2005年から運行しています。

前世代のドクターイエローの運行年数を参考にすると、徐々に引退の時期が近づいていることは確かですね。

ドクターイエローT2編成
 

ドクターイエローの後継車両は?車両番号についても

ドクターイエローがもしも引退するならば、線路や架線の検査を代わりに行う車両はあるのでしょうか?

また車両番号はいくつになるのでしょうか?

ドクターイエローの後継車両については公式な発表はされていません。

 

後続車両はどうなるのか、以下の2つの説がありました。

  • 後継車両はN700Aという説
  • 後継車両はないという説

それぞれご紹介していきたいと思います。

後継車両はN700A説について

前世代のドクターイエローからドクターイエロー923形になったのは以下の様な理由です。

通常営業のダイヤの間をぬって試験走行が行われています。

「のぞみ」や「ひかり」がN700系になり、運行ダイヤ変わりました。

通常営業ダイヤに合わせてドクターイエローの走行速度も早くする必要があったそうです。

ドクターイエローの走行速度を上げるために、検査機器の改善も行われました。

もし、ドクターイエロー923形も走行速度の速いN700Aタイプの新幹線に置き換えるとすると、高速でも正確な検査が行える機械を作る必要があります。

高速でも正確な計測ができる機械を搭載した新型のドクターイエローで検査が行われるかもしれません。

以上が、高速でも正確な計測ができる機械を搭載したN700Aタイプのドクターイエローが登場するのではないか?という説です。

N700A新幹線
 

後継車両はない説について

ドクターイエローのような特別車両を営業用車両とは別に製造しなくも、営業用車両にも検測機器が搭載できるようになってきています。

JR東海では、N700系の6編成の営業用車両に上下方向のみの軌道を検測する軌道計測システムを導入しています。

上下方向のみの軌道の検測だけでなく左右方向の軌道や、軌道部材の劣化状態を予測するシステムも営業車に搭載する研究や開発を行っているそうです。

現にJR九州は検査用の車両を持っていません。

ドクターイエローのような検査車両ではなく営業用車両に検査機器を設置して、検査を行っています。

つまり、JR東海やJR西日本もドクターイエロー923形による検測を廃止し、N700Aの営業車に最新の計測機器を搭載して検査を行うのではないかという見方です。

ただし、新しい計器が完成しても整合性を確認する必要がありますし、すぐには引退しないのではないかと思います。

以上が、ドクターイエローの後継車両はないという説でした。

車両番号は?

車両番号についても調べてみましたが、やはり正確な情報は出てきませんでした。

ドクターイエロー923形が駅のホームに入る時に電光掲示板には「回送」と表示されます。
ドクターイエロー通過時の電光掲示板
ドクターイエロー923形の車両番号は、以下の通りです。

東海道線
のぞみ 下り…回送983号 上り…回送980号
こだま 下り…回送981号 上り…回送982号

 

山陽道線
のぞみ 下り…回送985号 上り…回送984号
こだま 下り…回送989号 上り…回送988号

 

東海道線も山陽道線980番台です。

ドクターイエロー923形の引退ついての予想まとめ

以上、ドクターイエローの引退時期についての予想をまとめてみました。

あまり想像したくないですが、引退が予想される時期は以下の2つです。

  • 2019年3月説
  • 2018年夏説

ただし、以下のような要素で時期が変わってくると思います。

  • 時速285kmの高速走行でも正確な計測が行えること。
  • 通常営業のダイヤとドクターイエローのダイヤがかみ合わなくなってしまうこと。

ドクターイエロー923形の後続車両についてもやはり未定で、予想としては以下の通りです。

  • 後継車両はN700A説
  • 後継車両はないという説

旧式のドクターイエローは26年以上、試験走行を行ってきました。

正式な引退時期については不明ですがドクターイエロー923形の引退時期が徐々に迫っていることは確かです。

ドクターイエローのファンは国内外に多くいるので、もし引退しても博物館などで展示されたりすると思いますが、その前に走っている姿を見に行きたいと思いました。