岩田係長(甲本雅裕)から、兄のことも大山刑事のことも全て話すと言われ、待ち合わせ場所に来た三枝健人(坂口健太郎)ですが、岩田係長は何者かに刺され瀕死の状態だった。
岩田係長が健人に話そうとしたことはどんなことだったのでしょう。
2018年の大山刑事の居所はわかるのでしょうか。
いよいよ健人の兄がかかわった1999年に起きた未解決事件、武蔵野市集団暴行事件の謎を解き明かす時がきました。大山刑事はその事件にどうかかわっていたのでしょう。
岩田係長と中本刑事部長が隠していることは何なのか、全てがわかるクライマックスに向かって第8話はどう展開したのでしょうか。
シグナル長期未解決事件捜査班(5月29日放映)の第8話のあらすじと感想をまとめました。
シグナル長期未解決事件捜査班(5月29日放映)の第8話のあらすじ
岩田係長死亡
「お前が知りたいと思っていることのすべてを話す」
と、健人を呼び出した岩田係長。
健人が待ち合わせ場所に到着すると、岩田係長は何者かに腹を刺され、瀕死の状態に陥っていた。
驚いた健人が何があったか聞くと、苦しい息の中、岩田係長は言った。
「大山の声が聞こえた」
「俺が大山を殺した」
「全ての始まりは武蔵野集団暴行事件….」
健人は必死で岩田を呼ぶが、そのまま息絶えてしまった。
武蔵野集団暴行事件
1999年5月武蔵野市
ネットで多くの生徒から中傷され追い詰められる女子高生、井口奈々。屋上から飛び降りようとしている。
そこへ止めにやってきた一人の男子高生。健人の兄、加藤亮太だった。
「あんなの嘘なんだろう。わかってるよ、奈々。やめるんだ」
と井口奈々を止めるが
嘘じゃないの、ごめんね、と涙ぐみ屋上から飛び降りてしまった。
サイレンが鳴り、騒然としている城西警察署内、何かあったのか、と大山刑事が聞くと桜井が答えた。
武蔵野市の高校で集団暴行事件が起きた、被害者の女子高生1人に加害者が10人以上いるらしい、と桜井が答えた。
「武蔵野市の?」
大山刑事は健人から聞いていた言葉を思い出した。健人から聞いた話は、大山が近いうちにその事件を担当する、兄がかかわった事件だからその事件の真相を教えて欲しいと言われたことだった。
広域にわたる事件のため、城西署にも応援要請が来たと、岩田に告げられ、大山刑事は担当していた事件を桜井に任せて岩田や数人の刑事と同行することにした。
加害者として疑われ取り調べを受ける少年たちで、ざわつく武蔵野西警察署に到着した大山刑事たち。
駐車場の車の中で誰かを待つ中本管理官(渡部篤郎)、そこへもう1台の車が現れた。
「面倒な事になった。処理を頼む」
と車の中の男性が中本管理官に言う。
「わかりました」
と会釈した後、薄笑いを浮かべる。
武蔵野西総合病院へ来た大山刑事は武蔵野西署の刑事と同行し、被害者の父親に娘への面会を申し出たが、酒に酔っていた父親は大山刑事たちを怒鳴りつけ、追い返す。
大山刑事が病室を除くと被害女子高生がベッドの上からこちらを見ていたので、病室に入って話しかけようとすると、すごい剣幕の父親と、刑事に突き戻される。泣きじゃくる女子校生。
突然の大山刑事の行動に呆れた一緒に来た刑事に今日のところは帰りましょう、と言われて渋々帰る大山刑事。
その後、加藤亮太が井口奈々の見舞いにやってきた。
加藤亮太は、廊下に落ちていた紙に気づいて拾うと、それは大山刑事の名刺だった。
病室のベッドにいた奈々は集団暴行の記憶を思い出し、泣き苦しんでいた。
大山刑事は、武蔵野西署の刑事と事件の犯行現場と思われる場所にやってきた。井口奈々がこの場所から出てくるのを近所の住人が見ているという。
犯人につながる証拠はまだ特定されていない、という武蔵野西署の刑事。
そこへ被害者の同級生の男子高生が通りかかる。
犯行現場の裏手の家に住んでいるが、真面目な生徒なので今回の事件には関係がない、と言われるが大山刑事は何か気にかかる。
2018年の城西署。岩田係長の死因を説明する慶明大学医学部の安田(青野楓)。
そこへ中本管理官がやってきて、健人にどうして現場にいたのか、とたずねる。
健人は、岩田係長から1999年に発生した武蔵野市集団暴行事件のことで話があると、電話があったこと、この事件を調べるのは危険だ、と言われたことを伝えた。
そして、病院に着いた時はもう襲われた後だったと伝えた。
中本は、現場での怪しい人物、凶器、目撃や犯人につながる証拠も何もつかめていない健人に呆れる口ぶり。
そして、他の刑事たちに警察をあげて、捜査をし必ず犯人を捕まえろ、と命令するが、未解決捜査班は、この事件の捜査からはずれろ、という。
容疑者の仲間を捜査に入れるわけにはいかない、健人が無実だとはっきり分かるまでは容疑者だという。
容疑者三枝健人
岩田係長の通話記録から呼び出された男が刑事の取り調べを受けている。ある事件で知り合い、岩田に情報を渡していた、という男だった。
男は、健人が岩田のことを恨んで自分に情報を聞きに来た、と刑事に嘘を伝える。
報告を受けた中本刑事部長は、三枝健人が何を調べていたか突き止めて報告するように命令する。
なぜ、岩田のことを調べていたのか、と刑事に取り調べを受ける健人は、岩田のことを調べていたのではない、と言う。
健人を待っていた桜井班長は、岩田係長が奥さんが亡くなってから一人で育てていた娘が先日白血病で亡くなった、それもあってみんな限界なのだ、と。
俺は殺していません、と健人。
そんなことはわかってるけど何を一人で考えているのか、私はあなたを助けたい、と桜井班長は言う。
健人は、一呼吸おいて考えていることを桜井班長に話した。
「大山巡査部長の収賄事件には裏があります。この収賄事件は岩田係長が仕組んだことです。そして、その上には黒幕がいます。」
「俺が警察で信用できるのは桜井さんだけだ」
と話す健人の真剣な表情に桜井の心も動く。
「岩田係長は収賄事件の偽装を手伝うしかなかった。」
死の直前、岩田係長はこう言った。
大山巡査部長を殺した、と。全ての始まりは武蔵野の事件だと。大山巡査部長も岩田係長も口封じのために殺されたんです」
健人の話を聞いた桜井班長は信じられない様子だった。
中本管理官
1999年武蔵野西署
大山刑事に取り調べを受ける男子高校生。以前に大山刑事が見かけた犯行現場の裏手に住む男子高校生だった。
その様子を上から見ている中本管理官と岩田係長。大山がこの事件について必死に話を聞いているのはなぜなのかと話している。
何でもいいから話してほしい、と必死な大山刑事を見て、関係あるかはわからないが、と話し出す男子高生。
同級生の加藤亮太が、井口奈々を家に連れてきて勉強を教えたいから週一で場所を貸して欲しいと言われ、場所を貸していた、と。
そんな話を聞いている最中に突然入ってきた男性が男子高生を連れ去る。男子高生の父親らしき人物だった。
中本管理官は岩田に言った。
「事を穏便に済ませるためには風よけが必要だ」
「金もコネもなく何があっても誰も味方をしない生贄だ。そういう生徒が一人いればいい」と。
岩田は、驚きに声が震えながら聞いた。
「それは、秘密を隠すために生贄を用意するという事ですか?」と。
顔色も表情も変えずに、そうだ、という中本。
「管理官は真犯人をご存知なんですか?」と聞く岩田に、
「俺がなんのために本庁から来たと思う、それくらい察しろ」「娘さんの事は俺に任せろ。わかったな」
と、いう中本管理官。
娘のことを言われた岩田は震える声で了解する。
生贄
健人の家で、事件について調べた資料の多さを見て桜井は驚く。
そして、桜井は、健人にあなたは容疑者なんだから下手に動いてはいけない、と忠告する。
俺の兄がかかわった事件なんです、と健人は兄のことを話し出す。
母親の帰りを待ちながら、兄と宿題をする少年の頃の健人。母と3人で食事に行く約束をして喜ぶ。
玄関のチャイムがなり、母親が帰ってきた、とドアを開けると刑事が兄に署まで来て欲しい、と言う。
心配する健人にすぐ帰ってくる、心配するな、と微笑む兄。
「あの頃の俺はまだ子供でなぜ兄が捕まったのかわからなかった…. 」と兄のことを思い出しながらつぶやく健人。
健人の兄は、武蔵野市集団暴行事件の犯人として逮捕されたのだった。
兄が逮捕された後、健人を見かねた母親が親戚に預け、苗字を母親の旧姓の三枝に変えた。それから8ヶ月が経ち、兄が少年院から出たと聞いて急いで家に帰ると、兄が自殺をしていた。
その時は、兄がなぜ自殺をしたのかわからなかった。しかし、それから8年後やっと真実がわかったんです、と続ける健人。
兄を陥れた人物に会った、その男は兄が金もコネもないから選ばれた、と言ったのだ、と。
「誰かを守るために兄は生贄に選ばれた。誰を護るためだったのか、誰が指示をしたのか、必ず真実を暴きます。」
男子高校生たちを取り調べをする大山刑事。男子高校生たちは、皆一斉に加藤亮太に誘われた、と証言するが、大山は信じられず誰かにそういえと言われたのか?と疑う。
加藤亮太が取り調べに来た。本当にお前が主犯なのか?と聞く大山刑事に、やっていない、犯人は誰かはわからない、でもみんなが嘘をついていることは確か、と言う。
大山刑事は、加藤亮太の戸籍を見て、はっとする。健人は亮太の弟だった。
健人に言われた言葉を思い出す大山刑事。
「僕はやってない、信じてください」
と言う加藤亮太。
野沢先生と呼ばれる男性に挨拶する男子高生と父親。何かとありがとうございます、という男子高生。
主犯は加藤亮太
小川都市開発株式会社 設立30周年記念パーティーの席だった。
大山刑事は、暴行を行った生徒たちからの文を読んでいた。皆が加藤亮太から言われたと書いている。
そこへ中本管理官が通ったのを呼び止めると、捜査状況の確認に来たという中本に不信感を募らせる大山だった。
「もしかして、何か指示を出しに来たんじゃないですか?」「証言した少年たちは皆、小川都市開発で働いています。この武蔵野市で一番の大手企業です、管理官、どういうことですか?」と詰め寄る。
中本管理官に取り調べ室が見える場所に連れてこられた大山刑事。
取り調べ室では岩田が、事件の被害者の井口奈々を取り調べていた。
主犯は加藤亮太で間違いはないか、と聞く岩田に
そうです、と答える奈々。
大山刑事が詰め寄り、よく考えてくれ、彼の人生がかかっているんだ、本当のことを言ってくれ、と伝えるが、涙を流しがなら、亮太が犯人だという奈々。
大山刑事は、井口奈々の父親も金で動かしたのか、と中本管理官に言う。
あの女生徒が新しい人生を歩むためにはお前が言う通り金が必要だ、と言う中本管理官。
「他の生徒に罪をなすりつけてまで守ろうとするのはよほどの実力者の息子なんですか、主犯は誰なんですか」
と強く訴える大山に、主犯は加藤亮太だ、と笑う中本だった。
未解決捜査班では、捜査からはずれるように言われていたが、捜査状況を知り、このままでは三枝が犯人にされてしまう、と感じ資料を見るふりをして、皆を集める桜井班長。
健人が岩田のことを恨んでいたと証言した岡本が怪しいと、思った桜井はもう一度岡本の交友関係を洗い直そうと考え、山田(木村祐一)と小島(池田鉄洋)に指示をした。
健人にはここでおとなしくするように伝えて、捜査に出た。
健人は路上で、岩田に呼び出された病院の前で猛スピードで逃げるように走って行った車と同じ車を見つけた。その車に乗っていたのは岡本だった。健人はそのことを桜井に伝えた。
係長の刺し傷は殺しになれたプロの仕業だった。係長を殺したのは岡本かもしれません。単独犯ではなく指示をしたものがいる、と。
証拠はあるの?と聞く桜井に
岩田は疑り深い性格だから、証拠になる通話記録や狂気などを別の場所に隠している可能性がある、とプロファイルする健人。
別荘の裏庭で
山田から岩田係長の通行記録を手に入れた、と連絡がある。殺された前日、御殿場インターを3時間で行き帰り、東京に戻っている、と。
御殿場には、岡本の母親名義の別荘がある、おそらく岩田係長はそこへ行ったのだと思われる、と小島が言う。
別荘へ来た、桜井と健人は、証拠になるものはないか探すが見つからない。岡本の自宅も調べてみよう、と桜井。
ふと、考え込む健人。岩田係長はどうしてここへ来たのか?岩田係長が死ぬ前に言った言葉を思い出す健人。
「大山を殺した後、確認に行った、裏庭に…」
健人は別荘の裏庭で何かを探し出した。
ずっと使っていなかったこの別荘を岡本はなぜ売らなかったんだろう?
草が不自然にかぶせてある場所を見つけた健人がスコップでその場所を掘ると、白骨死体が見つかった。そばにあった警察手帳は大山巡査部長のものだった。
「先輩…」
白骨死体が大山刑事であるとわかり、ショックを受ける桜井班長。
シグナル5月29日第8話の感想
とうとう、健人の兄と大山刑事が関わる事件の真相が明らかになってきました。岩田は、健人の推測どおり、中本管理官の言うことを聞くしかできなかった。そして、中本管理官が議員に頼まれ、健人の兄を身代わりに犯人にしたのですね。地位も権力もコネもない人物という身勝手な理由で。
そして、すべてを感づいていた大山刑事を中本管理官に指示されて殺した岩田係長が、健人に話そうとしたことに気づかれ口封じのために殺されてしまいました。
過去と現在を行き来して迷宮のように混乱していたことが少しづつ繋がってきました。そして、とうとう健人と桜井班長は、大山刑事の白骨死体を見つけてしまいました。
今回は、健人と大山刑事の通信はありませんでしたが、健人から聞いた武蔵野集団暴行事件のその後はどう展開したのでしょうか。大山刑事は、誰かの命令で高校生たちの証言が嘘だと気づいていましたが、何かをつかむことができたのでしょうか。
岩田が大山刑事を殺す前に何かをつかむことができれば、未来を変えることができるかもしれません。しかし、今までの事件のように未来がすべて良い方向に変わるとは限りません。それでも真実を明らかにしたい、と健人は行動するでしょう。そして、過去の大山刑事も。
話はクライマックスに近づいてきました。岡本が誰かの指示で岩田を殺した証拠もまだ見つかっていません。次回に明かされるのでしょうか。楽しみです。
まだ、謎が多いこのドラマ、シグナル長期未解決事件捜査班。
最終話を見る前にもう一度1話から見た方が話の内容がさらにはっきりつかめるかもしれません。
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